2012年07月26日

第453回「田辺祭」行ってきました!

7月24日〜7月25日。和歌山県田辺市にある闘鶏神社で、「田辺祭」が華やかに執り行われました。

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田辺祭は、450年余の歴史と伝統をもつ闘鶏神社の例祭で、県無形民俗文化財にも指定されています。
祭りの期間中は、旧城下の各商人町から計8基の「お笠」、京都の祇園祭のような笠鉾が練り歩き、どこからともなく祭囃子が聞こえてきて、街中がうきうきするような賑やかさですぴかぴか(新しい)

闘鶏神社は、正しくはtoukeiji.gifと書き、その昔は「新熊野(いまくまの)権現」と呼ばれ、熊野三山の神様がすべて祀られていたため、ここから三山を遥拝して引き返す人々もいたそうです。

闘鶏神社の名称の由来は、「平家物語」で名高い鶏合せ。熊野別当の湛増(たんぞう)が、源平のどちらにつくのか、紅白の鶏を闘わせて占ったところ、白が勝ったので源氏に味方し、熊野水軍を率いて壇の浦へ出陣して、源氏の勝利に貢献したと伝えられています。
また、かの有名な武蔵坊弁慶は、熊野別当湛増の子として、この田辺の地に生まれたといわれているんですよひらめき


さて、待ちに待った宵宮(7月24日)の日。職場で仕事をしていると、外から祭囃子が聞こえてきました。
気になる〜。見たい〜。仕事が手につかない〜。そわそわ、そわそわ、そわそわ・・・見てきてもいいよ、という事務局長の言葉で、スタッフと外へ飛び出しましたわーい(嬉しい顔)

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お笠の上屋には、各町ごとに違う作りもの(人形)が、闘鶏神社で保管している能面をつけて飾られています。こちらは、本町の尉(じょう)と姥(うば)
世阿弥作の謡曲「高砂」に登場する尉と姥は、阿蘇の神主友成が上京の途中、高砂の浦で出会った高砂の松と住吉の松という相生の松の精である老夫婦で、離れていても心は通じるという、長寿と夫婦愛の象徴だそう。
他にも、日本武尊や須佐之男命、神宮皇后や恵比寿さんなどが乗せられ、それぞれに五穀豊穣や邪気を払うなどの意味が込められているそうです。
暑い中真っ黒に日焼けしながら、街中を回っていた曳き手の方々や裃姿の随行の人々。お笠の下屋では、子供たちも頑張ってお囃子を奏でていました。

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田辺祭の数多くある見どころの中でも人気があるのは、「会津橋曳き揃え」。そういう私も、これを見ないことには田辺祭を見た気がしませんわーい(嬉しい顔)
宵宮(7月24日)の夕方に闘鶏神社鳥居前に曳き揃えられたお笠が、午後7時ごろに鳥居前を出発して旧会津橋へ向かい、午後9時30分ごろ橋の上で再び曳き揃えられるのです。
笠鉾の灯が川面に映りこむ情景は大変幻想的で美しく、夏の風物詩となっていますぴかぴか(新しい)

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翌日。7月25日の本祭は、まだ薄暗い午前4時30分から始まります。
闘鶏神社の境内で行われる「暁の祭典」は、熱気に溢れた前夜の情景とは一転して、静かで厳かな祭典。
白々と夜が明けていく中、巫女さんたちによる「浦安の舞」の奉納も行われ、その優雅で美しい舞を見るために、朝早い時間ですがたくさんの観客が訪れます。
早起きできればぜひ訪れていただきたい、見どころのひとつですひらめき

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前日に引き続き、昼間街中を巡行したお笠が夕方闘鶏神社の鳥居前に集合すると、祭りはいよいよクライマックスの宮入りを迎えます。順番に境内で宮入りを行い、神様を神社にお還しする神事です。
真剣に見守る人々・・・幼い子供たちもいます。時代が変わってもずっとずっとこの伝統を守っていってほしいですね。

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宮入りの後は、いよいよ鳥居前で、「乗子」と呼ばれるお稚児さんが、流鏑馬を勤めます。これは魔よけの儀式。
乗子さんはみんな小学生の小さな子供たちでしたが、しっかりと的に命中させていましたよ!すごいひらめき
流鏑馬が終了すると、祭りの終わりを告げる法螺貝の音色とともに、お笠は帰路へ・・・街にはまた、賑やかな祭囃子や「コーライ、コーライ!」という掛け声が響き渡ります。
橋のたもとにさしかかると、別れを惜しむようにお互いのお笠を向かい合わせて曳き別れを行った後、それぞれお囃子を響かせながら各町へと帰っていきました。

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祭りのあと・・・見物していた方々はそれぞれの方向へ散っていきましたが、なんとなく去り難く、しばらく川面を眺めていました。
耳の中ではまだ、賑やかな祭囃子が鳴り響いています。幟と吹き流しも、心なしか寂しそう。
でも、また来年があります!来年もきっと見にこよう!そう言い聞かせて、自宅に帰るともう夜中の11時過ぎでしたあせあせ(飛び散る汗)
猛暑の中、また旧城下町の若い担い手も少なくなっている中、田辺祭を支えてくださっている方々は本当にご苦労だと思いますが、じっくりと鑑賞するほどに、しみじみとよいお祭りだと思います。
老いも若きも町をあげて盛り上げる田辺祭の素晴らしさを伝え、この伝統を継承していっていただきたいですね!
古式ゆかしいお祭りを満喫した2日間でした手(チョキ)


今週末は、田辺市の旧図書館で行われている「アート田辺」にて、パリ在住の写真家・平野功二さんが撮影した田辺祭のムービーが上映される予定です。
パリコレなどのモード写真を手がける平野功二さんが初めて田辺祭を訪れたのは、昨年のこと。
その際に撮影した田辺祭りの写真集を今年初めに出版され、今年もパリから駆けつけて田辺祭に参加してくださったあと、アート田辺に華を添えてくださる予定です。
写真集は、普段見るのとは全く違う視点で田辺祭の瞬間瞬間が美しく切り取られていて、本当に素敵ですよ~ぴかぴか(新しい)
アート田辺では、他にも様々な楽しいプログラムが行われていますので、ぜひお立ち寄りくださいねわーい(嬉しい顔)


○田辺祭の詳細情報

日時:毎年7月24日・25日
開催場所:和歌山県田辺市・闘鶏神社
お問い合せ先:田辺観光協会 TEL 0739-25-4919
詳細URL:http://www.tanabe-kanko.jp/event/tanabematuri/index.html

○アート田辺の詳細情報

日時:2012年7月23日(月)〜29日(日)
開催場所:旧田辺市立図書館
住所:和歌山県田辺市上屋敷2丁目3番43号
お問い合せ先:アート田辺実行委員会 TEL 0739-22-5064
詳細URL:http://agara-tanabe.up.d.seesaa.net/agara-tanabe/image/03E8A38FE99DA2.jpg?d=2012_07_25_14_26_20
※田辺祭のムービーについては、イベント最終日の29日(日)、午後5時半から4回上映会が開かれます。

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  次項有田辺市街地図はこちら

(しゃぶ)


posted by TKTBスタッフ at 20:49| Comment(2) | TrackBack(0) | イベント・行事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもブログ拝見させてもらってます。
僕が在住している中屋敷町、今年の流鏑馬当番で色々大変でしたが、町内みなさんのご協力により猛暑のなか乗り子の小学生に怪我も無く素晴らしい二日半でした。
Posted by 岩峪 靖 at 2012年07月27日 18:04
岩峪様、コメントをお寄せいただきありがとうございました。
皆様方にとって、少子高齢化が進む中、田辺祭を続けていくのは大変なご苦労もあるかと思いますが、この素晴らしい伝統行事を次世代に継承していけるよう、これからも頑張っていただきたいと思います。来年も楽しみにしています。
Posted by TKTBしゃぶ at 2012年07月30日 10:17
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