これらと同様に、地質学的に価値のある不思議な地形が和歌山県南部にいくつもあるのをみなさまはご存知でしょうか

そんな素敵景観に出会うべく、先日8月9日に和歌山県すさみ町のすさみ海上で行なわれた、和歌山大学南紀熊野サテライト様主催の「和歌山県ジオツーリズム研究会・海上視察」に私も参加してきました

当ビューローのみょうが会長・ピット部長とともに朝9時頃田辺を出発し、集合場所のすさみ海水浴場には1時間ほどで到着。海は、真夏の海らしくきらきらとまぶしく、平日にもかかわらず海水浴を楽しむ家族連れなどで賑わっていました。

枯木灘は日置川町から南へ続くリアス式海岸で、その入り組んだ海岸線と海食による奇岩・岩礁が美しいことで知られています。
参加者が全員揃ったところで、さっそく港の船着き場から船に乗り込み、すさみ海上へと出発です

海に滑り出したら、潮風を分けてずんずん進む船。
波はそう高くありませんでしたが、船上は荒れるロデオさながら

揺れる船にしがみつきながらも、勇敢な海の男の気分で遠くの景色を眺め良い気分

船が出港してしばらく走ると、きました、見えてきました

本日の主役。
このセクシーなライン

「アマドリのしゅう曲」とも呼ばれるこの地形。
世界的にも有名な地質遺産に


“しゅう曲”というのは、簡単に言うと、地層がうねうねと曲がって見えている部分のことです。
このしゅう曲は、地層が側方から大きな力を受けたり、地震などの地殻変動やその他さまざまな要因により、地層が時間をかけてうにゃっ

船上から見るその光景は、まるでそこに悠然と横たわり眠る獅子のよう

自然がそれを囲むすべての要素を取り込み、永い時間をかけて造りあげたアートを目の当たりにし、その荘厳さ、壮大さに心を打たれました。視界に入る陸地に人工物は何もなく、見わたす限り森の緑と崖の灰いろ、海の青。
写真ではうまく伝わらないのがもどかしい

いつも立っている陸地を海上から見ることで、陸が徐々に低くなっていき海の底に続いていく、陸と海とはもともとひとつのものであるのだという当たり前のことに改めて気付かされるのでした。
その他にも、不思議な形に穴のあいた洞窟や、誰がいつなんのためにどうやって建てたのか・・・想像をかきたてられる魅力的な鳥居のある小さな島などを巡り、約2時間ほどで視察ツアーは終了しました。
終了後は、のどかな山々を背景にぽつんと佇む、温かい雰囲気の小さな喫茶店にて、参加者全員で意見交換会

和歌山大学の教授方や大辺路かり開き隊の方々、和歌山県庁から来られた方々、自分たちの地域の宝に思い入れを持つ地元の方など、ジオツーリズム・ジオパーク・地質学・日本史学、それぞれの分野でそれぞれの観点からこの自然の遺産に対して持つ熱意のようなものを語り合っていました・・。
あ、アツイ!


また、個人的に印象深かったのは、和歌山大学から視察に来ていたイマドキな可愛らしい男子学生が、今後の和歌山県における観光・ジオツーリズムを盛り上げていくには具体的にどうすれば良いかを真剣に研究し、自ら考え、結果自分の意見をもって大勢の人の前で話していたことです。
私は胸をうたれ



昨今では「歴女」しかり「ジオキャッシャー」しかり「山ガール」しかり、和歌山の各地を目指し、学術的な研究だけではなくて純粋にそれぞれの趣味や目的をもって遊びに来てくれている方々も多いです。
和歌山県におけるジオツーリズムは現在まだそう浸透していませんが、近い将来、こういった美しい自然の造形物を見るために多くの人々が和歌山を訪れてくれるようになるのかな・・・


(じょい)